弾力性のあるわた、ひんやりとつめたい。そんなわたが敷き詰められている。
一面わただ。視界を遮るものは何もなく、空は快晴。
そこでここを雲の上、あの世、天国、そんなところだと理解した。
雲って少しひんやりしてるんだなぁ。
ちょっと口に含んでみようかと思ってやめた。なんとなく。
太陽は何故か見当たらない。
その時、何も無かったはずの空から一人の老人が降りてきた。
落ちてきたのではない。ゆっくりと左右に揺れながら、まるで、
どこかから糸で吊られているかのように、ゆっくりと浮遊しながら、
目の前距離1mのところに降りてきた。
大きな布を身体にまきつけたような格好をしている。
ああ、これ何ていうんだっけ。
多分、ドラクエとかの老人が着ているやつ。ローブって言うんだっけ?
あ、杖も持ってるぞ。
木で出来ていて、地面につく方とは逆の先が丸く太くなってる。
ぐるぐる渦巻きの模様付きで。全部をまとめた印象。
ああ、神さまだなと思った。
「神サマです」
ビンゴ。
「願い事とか叶えますよ」
直球だなぁ。変化の素振りもねぇや。
「じゃあ超カワイイ彼女をひとつ」
「あーそういうのはこちらの担当じゃないんで無理です」
ガッカリ。
「えーっとそれじゃあ、大金持ちに!」
「今日財布持ってきてないんでー、ちょっと・・・」
ハァ?
「超男前にしてくれ」
「充分カッコイイですよ。ボクの若い頃とかもう見られないですよ」
聞いてねぇよ。
「何ができるのさ?」
「デジタル時計を見るとやけにゾロ目のときが多いとかなら出来ます」
「意味ある?それ」
「ちょっとお徳感が」
こんな初夢はありですか。今更ながら、あけましておめでとうございます。